有線LAN工事の配線設計とは
有線LAN工事の配線設計は、安定したネットワーク環境を構築するための重要なステップです。配線設計では、建物の構造、使用する機器、将来の拡張性などを考慮し、最適な配線ルートとケーブルの種類を選定します。
配線設計の主な手順は以下のとおりです。

- 現地調査:
- 建物の構造、部屋の配置、機器の設置場所などを確認します。
- 壁、天井、床下などの配線ルートとなる場所の状況を把握します。
- 電気配線、空調設備などの他の設備との干渉がないかを確認します。
- 配線ルートの決定:
- 各機器を接続するための最適なケーブルルートを決定します。
- ケーブルの長さを最小限に抑え、信号の減衰を防ぎます。
- 将来的な機器の増設やレイアウト変更に対応できるように、余裕のあるルートを確保します。
- ケーブル種類の選定:
- 通信速度、伝送距離、ノイズ対策などを考慮し、最適なケーブル種類を選定します。
- 一般的には、カテゴリー5e、カテゴリー6、カテゴリー6AなどのLANケーブルが使用されます。
- 光ファイバーケーブルを使用する場合もあります。
- 配線図の作成:
- 決定した配線ルートとケーブル種類を配線図にまとめます。
- 配線図には、各機器の接続場所、ケーブルの種類、長さなどを明記します。
- 配線図は、工事担当者との情報共有や、将来的なメンテナンスに役立ちます。
- ネットワーク機器の選定と配置:
- ハブ、スイッチ、ルーターなどのネットワーク機器を選定し、適切な場所に配置します。
- 機器の性能やポート数などを考慮し、ネットワーク全体のパフォーマンスを最適化します。
- 機器の配置場所は、メンテナンス性や冷却性も考慮します。
配線設計では、以下の点に注意することが重要です。
- ケーブルの長さを最小限に抑える: ケーブルが長くなると、信号が減衰し、通信速度が低下する可能性があります。
- ノイズ対策: 電気配線や他の機器からのノイズを防ぐために、適切なケーブル種類を選定し、配線ルートを工夫します。
- セキュリティ対策: 無線LANを使用する場合は、適切なセキュリティ設定を行い、不正アクセスを防ぎます。
- 将来の拡張性: 将来的な機器の増設やレイアウト変更に対応できるように、余裕のある配線計画を立てます。
配線設計は、LAN工事の品質を左右する重要な要素です。専門的な知識と経験を持つ業者に依頼することをおすすめします。
配線図の見本
配線図は、ネットワーク全体の構成や機器の接続状況を視覚的に表現したものです。実際の工事では、この配線図を基に作業が進められます。配線図は、ネットワークの種類や規模によって様々な形式がありますが、ここでは一般的なオフィス環境におけるLAN配線図の例をご紹介します。
配線図の見本
インターネット
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| (ルーター)
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+——-+——-+
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| (スイッチングハブ) |
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+———+———+———+———+
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(PC) (PC) (プリンター) (サーバー)
この図は、シンプルなスター型のLAN配線図です。
- インターネット回線からルーターを経由して、スイッチングハブに接続されています。
- スイッチングハブから、各PC、プリンター、サーバーにLANケーブルが接続されています。
配線図のポイント
- 機器の配置: ネットワーク機器や情報機器の配置場所を明示します。
- ケーブルの配線ルート: LANケーブルの配線ルートを線で示します。
- ケーブルの種類: ケーブルの種類(カテゴリー)や長さを明記します。
- 機器の接続情報: 各機器の接続ポートやIPアドレスなどを記載します。
配線図の種類
配線図には、大きく分けて以下の2つの種類があります。
- 物理配線図: 実際の機器の配置やケーブルの配線ルートを示します。
- 論理配線図: ネットワークの構成やIPアドレスなどの論理的な接続情報を示します。
配線図作成のポイント
- 見やすさ: 誰が見ても分かりやすいように、シンプルで分かりやすい図を作成します。
- 正確性: 機器の配置や接続情報を正確に記載します。
- 最新情報: ネットワーク構成に変更があった場合は、配線図を更新します。
配線図は、ネットワークの構築、運用、保守に不可欠なものです。正確で分かりやすい配線図を作成し、ネットワーク管理に役立ててください。